コラム


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忘れがたき方々  
text by 冬月カースケ
 
いよいよあと3回でコラムもおしまいということで、なんとも感慨深いものがある。パチンコ業界に関わってきてからいろいろな方に会ってきた。今回はそのことをいくつか書きたいと思う。まずはC店。冬月がパチンコを覚えた店。

『大工の源さん』がブームになりかけた時だった。新台で導入された『源さん』を打つために早朝から沢山のファンが並んだ。冬月もそのひとりで朝の5時くらいからC店の行列の先頭付近にいた。開店時刻になって、先着順なので当然打てるかと思っていたが、あろうことか別の入口(スロット客専門)から、流れこんだお客さんがあっという間に台を押さえてしまって唖然ぼうぜん。

その一部を見ていたSさん(当時主任)が来て「ごめんね、ごめん。こっちの誘導が悪くて本当に申し訳ない」と何度も頭を下げに来たのだ。文句のひとつも言いたかったがそのSさんの姿に「仕方ないですね」と言うしかなかった。昼過ぎには次々とドル箱が積み上がる源さんのシマを見ながらも。パチ屋の店員さんにそんな真摯な態度を示されたのは後にも先にもこれだけ。

そのSさんがしばらくすると病気で入院したと聞いた。聞くところによるとガンだという。Sさんとは特別に私的な付き合いがあるわけではなかったが、病院を聞いてお見舞いに行った。しばらく見ないうちにすっかり痩せてしまったSさん。かける言葉は「大丈夫、きっとよくなりますよ」しかなかった。弱々しい笑顔でうなずくSさん。この日が最後だった。今頃、安らかに眠っていることだろう。





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