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CRA花の慶次〜愛  
text by 冬月カースケ
 
筐体画像 「パパ、入籍したよ」小さい頃に訳あって離れて暮らしてきた娘から連絡があった。1年ほど交際していた職場の同僚と結婚したのだ。旦那には一度、会わせてくれたことがある。娘が選ぶのはこういう青年なのか……「そうだろうなあ」という納得の好青年だった。

スケジュールをやりくりして、お祝いの席を設けたのがつい先日。娘は洋食好きだから、街の小さなイタリアン食堂を予約した。彼は自分とは違って真面目なタイプだが、幸いにも相当にイケる口。二人で2本のワインを開けて、いつのまにかお開きの時間となった。

世間では「花嫁の父」という言葉があり、娘を奪われるという感じになる人が多いようだけど、冬月にはそんな気持ちは全然ない。正確に言えばそんな気持ちになる資格がないということでもある。離れて暮らしてはいても、一日たりとも忘れたことのない娘だけど、やはり一緒に暮らしていない時間が長かったためなのだろうか。

それでも、小さい頃に足の骨を折る大けがをしたり、転んで額に(今でも残っている)傷を負ったり、ドアに挟まれて指の爪をはがして救急車を呼んだり、ハラハラと心配の種が尽きなかったこと。思春期に母親に反発して、プチ家出をして深夜のコンビニで見つけて、話をしたこと、大学時代は交際相手がマイノリティの人だったこともあって苦労したことや、今更ながら色々なことを思い出す。

来春には自分たちだけの結婚式を南の島でやるという。その時のウェディングドレスの写メを見せてくれた。「パパ、これねガッキーがドラマで着てたやつと一緒なんだよ。選んだその日のドラマに映っていてびっくりしたよ」と楽しそうにしゃべる娘の顔を見ていたら、はじめて嬉しさと同時に少しだけ寂しさがこみ上げてきた。

そして「娘をよろしくお願いします」と若きパトーナーに何度も頭を下げて、ささやかなお祝いの夜は終わったのだった。

いやはやたっぷりと私事を語ってしまい申し訳ない。やっと本題に移ろう。そんなわけで、二人へお祝いの品物を買ったり、新しいフィールドでの仕事、ライブの練習などで、けっこう忙しい日々が続き、ホールに行く時間がほんとに取れなくなってしまっている。そしてその間に偶然にも(一時好転していた)S店の状況が悪化していた。昨日も3000円だけ試し打ちして撤退。その前は一発も玉を弾けずに撤退と2回続けてのお帰りをくらっている。

玉が出る以前の「打てない」という状況が一番マズい。しからば打てる店を探して歩くしか他に方法はないし、それが当然でもある。よって、時間を見つけて歩く機会を増やしているのだけど、近隣の状況はそれはそれは厳しいもので、見れば見るほどため息が出るばかりだ。やがては、絶望の気持ちから見ることさえも嫌になっているのだ。これは本格的に困った時代がやってきている。3年ほど前に、状況が悪化したことがあり(今よりは遙かにましだけど)、他県まで足を伸ばして動いたことを思い出す。あの時もろくなことにならなかったなあ。

このままだと生活が立ちゆかなくなる可能性も高く、不安な気持ちも高まるそんな朝。デスクワークをちまちまやっていると思わぬ時間になってしまった。このままだと開店時刻に遅刻してしまう。どこかに「まあ、いいや」と思う気持ちが湧いているのだ。ああ、これはいよいよマズい。そう思いながら家を出る。





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