> > タッキー店長の考える100台のパチンコ店(2014)
スペシャルレポート

タッキー店長の考える100台のパチンコ店(2014)

| 概要 | レポート |


タッキー店長の考える100台のパチンコ店(2014)

この春、Tは、勤めるN社から突然、パチンコ店への出向を命じられた。一応、肩書は「店長」とはなっているものの、N社でのTの扱いというか立場はいつなんどき肩を叩かれてもいいような状態だった。誰の眼から見てもこの人事が左遷であることは疑いようのない事実だ。T自身、ここ数年の振るわない実績や年齢的なものを鑑みて、いずれそんな日がやってくるのだろうと半ば覚悟はしていたつもりだった。しかし実際こんな風に辞令を受けると、やはり心が大きく動揺し、ここ数日は仕事もろくに手に着かないような状態に陥ってしまった。もっとも、Tには既に仕事らしい仕事はなく、午後6時の終業チャイムが鳴る時間まで何をするでもなくパソコンの画面をじっと見つめているに過ぎないのだ。

Tは妻と二人の子供と4人暮らしである。この先、二人の子供を大学まで通わせるのが親の務めでもある。若かった頃ならば、こんな会社の一つや二つ、こっちのほうからお払い箱だぜ、と啖呵を切って、常に会社のデスクにしまってある辞表に日付だけを記入し、上司のもとへ躊躇なく差し出す男気があった。実際、過去にこんな風にして辞めた会社も二つや三つはあった。しかし今は家族という失うことの出来ない存在と、世の中の状況がTを崖っぷちの一歩手前で踏みとどまらせているのだ。「ちっ、オレも歳をとっちまったぜ!」というのがここ最近のTの口癖だ。

毎日、判で押したように決まった時間に家に帰るのも家族やご近所さんの手前、少し気が引けるので、この日も会社を出て駅までの道すがら、眼もくらむほどのビル群の一角を抜けた誰もいないちっぽけな公園のベンチに一人ぽつねんと腰をかけて時間を潰すのであった。しょせんオレなんて、そもそもIT業界など向いていなかったのだ。自分でもどうしてこの業界に入ってしまったのか、特別頭脳明晰でもないオレが何故N社に入社できたのか、今となってはその理由さえも分からない。

とどのつまり、運だけでこれまでの人生を送ってきたに過ぎないのだ。運というものは、やがていつかは下向し、一旦坂を転げ落ちるとよほどのことがない限り奈落の底へと転がり込むだけなのだ。いままさにTはその奈落へとゆっくりではあるが確実に葬られようとしているのだった。そしてTが出した答えは明白だった。この辞令を潔く受け、パチンコ店を運ではなく実力で繁盛させてやろうと心に誓ったのだった。今にみてろよ・・・・・・。

Text by タッキー

次のページへ

| 概要 | レポート |

前のレポートへ 次のレポートへ




このページの先頭へ戻る

戻る 777@niftyトップへ戻る